第25回 中央展 レポート

東京都高等学校文化連盟美術工芸部門中央展実行委員長
東京都立大泉桜高等学校 大原
平成24年12月12日(水)〜16日(日) 東京都美術館

 

はじめに

はじめに、中央展実行委員長として今回美術工芸部門広報部よりホームページに寄稿させて頂くこと感謝申し上げます。近年、美術教育を取り巻く状況は、時間数の削減を始め穏やかな状況ではないと危機感を強く抱く所です。この危機感や状況に対する閉塞感は、美術教育の活動を多くの方に広く知ってもらうことで、理解を得て打破していく他にないと思われます。美工研での先生方の研究と合わせて、美術部の活動の場である中央展の実施状況を皆様にご理解いただければ幸いです。

中央展

展覧会開催までの活動

中央展は12月に開催されますが、年間の計画としては6月のエントリーをはじめ、7月に部長と顧問による代表者会議、9月には展示計画の提出、11月には受付当番や搬入出の担当校を決定するなど、実行委員共々各校と協力し合いながら展覧会までたどり着くと行った流れです。この間当然美術部員は切磋琢磨し作品を作り上げていきます。近年は会場が池袋の芸術劇場の改修工事のため、年ごとに移り変わるという大変な年が続きました。昨年の信濃町の会場では芸術劇場と比較して壁面が狭くなったため、出品数を制限しなくてはなりませんでした。今年の会場となった東京都美術館も展示面の高さあるのですが、横幅が充分とは言えず、引き続きある程度壁面の制限を設けさせて頂きました。参加する全ての美術部員の作品を展示することは出来なくなりましたが、生徒同士が各校で表現について磨き合い、選抜された作品が増えていると実感しています。東京都高文連中央大会として、良い意味での競争が促されて、生徒に影響していくことを期待しています。
24年度より会場となった東京都美術館は4年後の開催まで利用計画されており、これまでのように毎年搬入計画や展示方法そして展示壁面の調整が大きく変わることはありません。中央展で東京都美術館に作品が出せるよう生徒一人一人が高い目的意識を持って制作に励んでいただきたいと思います。

中央展

第25回中央展について

今年度の中央展は参加校112校、出品数839点、入場者数は5日間で2903名となりました。大きなトラブルも無く無事に終えることが出来ました。これまでと大きく変わったのが、搬入搬出方法で、トラックから直接作品を係の生徒達と運ぶのではなく、美術館では搬入口から美術館が許可した業者が搬入エリアを経由して、会場へ運ぶため方法が煩雑になりました。展示においても、これまでにない4M近い高さの壁面に所狭しと作品が展示され、事故もなく無事に展示を終えることが出来ました。只、残念なことに立体作品について1件お客様が作品へ触れたことにより、倒れた作品が隣の工芸作品を破損するという事故が起きてしまいました。この件については、顧問を通じ生徒へ謝罪しました。今後二度とないようにお客様の鑑賞方法についても今後、対策を行い、また接触で展示作品が倒れないよう注意していく所であります。しかしながら、これだけ大きな会場で、スムーズに展示や片付けができ無事に会期を終えることが出来たのは、各校の美術部員の中央展に対する思いの高さの現れであると思います。不慣れな会場の搬入や搬出についても来年度は反省点を活かし、改善していけると思います。参加者がそれぞれ作業するのではなく、参画し合い、お互いにより良くなるよう考え、意見を出し合っていける展覧会として、中央展が発展していければ、行動力のある美術部部員の育成にもつながると育成面の期待も寄せる所です。

中央展
中央展

<顧問による高所での作業>


中央展審査と全国大会

中央展では、顧問と部員の投票形式による審査が行われます。得票数順に東京都教育委員会賞6点が次年度の全国大会へ出品されます。残念ながら来年度在籍出来ない3年生がこの賞に入ることはありませんが、今年度は得票数の高い作品の中に3年生の作品が4点も入っていました。来年度の高文連の全国大会は長崎県で開催されます。選出された各校の生徒は作品と共に全国大会へ参加することになります。あまり良く知られていないかもしれませんが、美術工芸部門の全国大会では作品展が開催され、 全国各地から出品された作品を観ることができます。参加した生徒にはとても良い刺激になると思います。 その他に開会行事での著名な芸術家やクリエイターの講演や、各代表高同士の交流会が、開催される各都道府県の特色に合わせて行われます。展覧会場では、全国から集まった美術部員と話し合うことも出来ます。私も2年前の福島県で全国大会が行われた時に参加させてもらいましたが、とても良い大会で、是非とも多くの美術部の生徒に全校大会に参加してもらいたいと思いました。

中央展

実行委員と生徒による開票作業

中央展

福島県立美術館での総文祭展覧会


これからの中央展と美術教育の発展

中央展を通じて経験出来る美術部の活動は、制作から展覧会の参加運営など生徒は多くの事を学び体験する事が出来ます。その事がまた各校での美術の活動を盛り上げると思います。教員としても各校において独り教科であることが多い美術科ですが、私自身は中央展に参加することで多くの美術の先生に出会うことが出来ました。最初は中央展のお手伝いと思い参加していましたが、3年前から実行委員長をさせて頂き、実行委員の仲間の先生達と協力し、また各校の諸先生達のご理解とご協力を得て展覧会を開催出来たことを誇らしく思います。私も実行委員の仕事の役割分担を明確にし、誰もがやりやすい実行委員会作りを目指してやってきました。是非とも若手の先生には今後研究会と合わせて、高文連の役割にも参加して頂きたいと思います。
美術教育が萎縮しないよう、我々一人一人が広い視野で積極的に美術教育の重要性とその成果の場としての展覧会を盛り上げていき、東京都の美術教育が発展していくことを期待して寄稿文の締めくくりとしたいと思います。

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