第二回 研究協議会レポート

第2回 研究協議会レポート

都立葛西南高等学校 中西先生

 

九段中等教育学校で、研究協議会がありました。

栗原先生による「ソフィ・カル」の鑑賞授業の発表

  • 美とは何か、を考えさせるための鑑賞授業を行った時の実践発表であった。
  • 千住博さんの講演会からの言葉を参考に導入する。(「美」の語源とは「羊」と「大」という字から出来ている・・・など)
  • 「ソフィ・カル」の『生まれつき盲目の人は何を美しいと思うのか』というテーマの作品を鑑賞させる。(生まれつきの盲目の人に「美しい」ものを連想してもらい、その人の言葉をプリントしたものに、ソフィ・カルが写真を添付して作品化したものである)
  • 「美しい」とは何か。「美」とは何か。ということを生徒に考えさせ、各自の『美しい』ものの画像をインターネットで検索して印刷したものを貼り付け、理由も書いたものをレポートとして提出させる授業でした。
 

森田先生による美術史レポート・相互鑑賞の授業の発表

  • TV番組「美の巨人」を見せ、自作のワークシートを用いて鑑賞させる。
森 田先生自身が10回以上「美の巨人」を見、ワークシートを制作されたそうです。番組構成の面白い「美の巨人」ですが、生徒にただ見せるだけでは印象に残ら ないこともあります。自作のワークシートを用いることで、鑑賞がより深まると感じました。(居眠り対策にもなりますし・・・)
  • 作業の早く終わった生徒に作家のレポートを書かせる。
日 ごろから美術室内に画集を充実させていて、課題が早く終わった生徒に作家レポートをまとめる課題を与えています。課題が早く終わって手持ち無沙汰な生徒を どうするか、が課題だと思います。きっとこのレポートを作成する時に、様々な本を手にとって選ぶと思います。その時に必然的にたくさんの作品を鑑賞するこ とが出来るので、生徒の興味関心を伸ばすには有効な手段だと感じました。

 

村山先生による「クレー」鑑賞の授業の発表

  •  班をつくり、クレーの作品をコピーしたワークシートに直接「何が描かれているか」を書き込む。
  • クレーの作品から物語を作らせたり、模写をさせたりする。
  • ただ見せるだけでは生徒たちは鑑賞できないので、自分たちで絵の中に何が描かれているかを探したり、絵の向こう側の物語を考えたりすることで、鑑賞の力がつくように感じた。
 

国立近代美術館 学芸員 一条さんから「VTS」の発表

  • ヴィジュアル・シンキング・ストラテジー(VTS)とはアートを通じて鑑賞者・学習者の「観察力」「批判的思考力」「コミュニケーション力」を育成する教育カリキュラムのことで、MoMAで開発された鑑賞プリグラムのことである。
  • 一条さんの話の後、VTSを実践している映像を鑑賞した。
≪VTSの技法について≫
  • 作品の前に児童(生徒)を集め、教員(学芸員)が作品の脇に立ち、質問する「この絵では何が起こっていますか」
  • 生徒は手を挙げ、発表する。
  •  教員は生徒の言葉をそのままリピートする。
  • 「他には」と教員は聞く
  • 他の生徒がまた違った観点から発表する。
  • 教員は生徒の言葉をそのままリピートする。説明不足な発言に対しては「なぜそう思ったの?」と聞きかえす。
  • 生徒は「○○と思ったからです。」と答える。
  • 教員は「○○と思ったのね。」とだけ言う。
 

これを繰り返し行う。

VTR冒頭でこの風景を見たとき、教員が絵の内容の説明を一切しないことに違和感があった。だが、生徒は生き生きと発表をし、中には大人では思いもかけないような発表もあった。(例えば、絵の中の人物の笑顔が引きつっているとか。)

VTR が後半に、レポート用紙を持った2人の男の子がある作品の前で会話するシーンがあった。まだ10歳そこそこの2人が見事に細部まで鑑賞し、「ああでもな い、こうでもない」と言い合っていた。絵の隅々まで鑑賞して考えて、感じての会話だった。VTSの教育の効果を感じた。

≪一条さんからのポイント説明≫
  • 生徒の言葉を教員はリピートする。
  • 教員は誘導ではなく、進行をする。(教えない)
  • 誉めたり、否定したりしない。
 

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