美術Ⅰ「美術とは何か」(2011年度)

美術Ⅰ「美術とは何か」ソフィー・カル「盲目の人々」の鑑賞

東京都立板橋高等学校 栗原

1.板橋高校について
生徒は大人しく素直。勉強は苦手な者が多い。自分で考え、発想することに慣れていない。 他の者からどう思われるか気にする傾向があり、発表したり発言することが不得意な生徒が多い。自分なりの美意識もまだ獲得できていない者がほとんどである。

2.この課題の目的
発想させる課題の時にかなり苦労することが多いことから何か自分で「美を探す」ということはできないか考えていた。直接のきっかけは一人の生徒から「今まで美とか美しいとか考えたことがないから美しいとか言われてもわからない。」と言われたことからである。
2010年の全国大会における千住博さんの講演で、千住氏が美をどうとらえているかを伺い、これは直接授業に生かせると考え、かなり引用させていただき、なぜ美術を学ぶかを生徒に考えさせるきっかけにしたいと思い授業を計画した。
普段は作品発表など苦手な生徒が多いのでみんなの前でプレゼンする機会を多く持っているが、今回はあえてあまり発言はさせず、ソフィー・カルの作品を鑑賞した後各自でインターネットを使い、美しいものを探すということを行い、ワークシートへの記入が中心となった。美術に苦手意識のある生徒にも対応できるようにした。
この授業に先立って3学期にBOX ARTを制作させた。その時に生徒自身の美的体験のアンケートを取った。ほとんどの生徒が自然の風景を取り上げていた。そこで、それを例に出して、「美術の授業では目に見えるものを作っているが、根本にある自分の美的体験を形に表し、何とか見えるような形にして人に伝えようとすることが美の術ではないか」という問題提起をした。(千住さんのパクリですが。)美しい物に出会ったときに「めちゃくちゃきれいだったんだよー」などと生徒が発言したくなる衝動、誰かと感動を共有したいという気持ちが人間にはあるのではないかという説明も行った。

3.ソフィ・カルの作品を通して考えたり、感じ取って欲しいこと
・盲目の人の考えを知ることを通して美とは目で見るだけではないことを感じて欲しい。見えない物の中にも美はある。
・われわれ目が見えるものも本当に見ているのかを考えて欲しい
・この作品については目が見えない者のインタビューを元にソフィーが写真にしたものなので、そこには美しいと考えている者(盲目の人)と作家の断絶がある。そこまで感じ取って欲しいと考えた。
・最後の作品をどう考えるか?
・自分が能動的に美を受け取ろうとしないと美は受け取れない。

4.生徒の感想より
盲目の人を見て感じたこと
・美しいというのはあると思えばあり、ないと思えばないのだと漠然と感じた。
・目が見えないが、イメージで美しいものを表現していたことがすごいと思った。
・断念の人に共感した。
あなたが盲目だったらどう答えるか?
・きっと家族とかそんな感じに答える。
・なにも答えられないと思う。
・見えなくても肌で感じるもの。

5.反省
初めて行ったものなのでなかなか生徒は
「盲目の人々」を充分理解したとは言えなかった。自由に発言するという機会を作ったり、改善を加えたい。

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